SIGNAL
さあ君はどうする?


「政宗君。……僕は、君になら殺されても構わないよ」
「Ha. 嘘を吐く男は嫌いだぜ」

 戯言のような蜜語を囁いた半兵衛を斬り捨てるように、政宗は吐き捨てた。数回のまばたきを繰り返した後、半兵衛は顎に指を宛てた。そして、政宗の顔を表情のない目でじっと見つめる。
 政宗はその居心地の悪さにうんざりしながら、半兵衛の顔を見返した。

「何が目的だ、竹中半兵衛」
「目的? そうだね、僕の目的は――」

 半兵衛の目が細められる。その眸に、怜悧でどこか冷冽な色が宿る。どこかが歪んでいて、どこか純粋にも見えるその瞳。
 政宗は背筋に底の知れない恐怖のような怯えのようなものを感じたが、それを表情に出すのは癪だったのか、外見にそれを億尾も出さずにいた。

「君を手に入れることだよ、政宗君。君の是非は、問わないけれど」

 その表情は、歓喜と愉悦と、欲望とをぐちゃぐちゃに雑ぜた色をしていた。





2007/02/25
伊達を手に入れられるなら伊達が死んでたって構わない狂った竹中さんの話。
変態竹中。変態を書くのは愉しいなぁ。