「ツナはさあ、人を殺すの?」
「…突然何言ってるの?」


部屋に来るなり「ちょっと良い?」と言って、机の上を占拠された。
待つのには結構慣れてるからそれだけならまだ良かったんだけど、シャーペンで眉間を指されて、こんなことを言われてしまったら、怪訝な顔しても何らおかしくないと思う。
その不審そうに響いた言葉を無視して、目の前で揺れるシャーペンがふっと視界から消えた。
目の前に、栗色の双眼が並ぶ。


「マフィアのボス、なるんでしょ?――人、殺すんだよね?」
、え、ちょ」


シャーペンが放り投げられ、からんと音を立てて床を転がった。
その放物線を目で追う、何も無い、逃げ道も無い。
――あまり突きつけられたくなかった現実を並べられてるような気がした。


「…リボーンさんとか、ビアンキさん、獄寺くん、ディーノさんもさ、誰彼かは殺してるんだよね」
「そ、うかもしれないけど」
「筋肉の全然無いその細腕で、こうやって、『人』を、殺すの?」


そうっと指が首に触れた。
冷たい。
触れられた首が熱かっただけなのかもしれないけれど、その指の感触はとても冷たい。
指が小刻みに震えて、親指に力が込められた。
ひゅう。咽喉が鳴る。息を吸おうとした音が、響いた。


「…ねえ、どうしてツナなの」


目の前の顔は泣いていた。涙を流さず泣いていた。
どうして泣いてるんだろうと思った言葉は口から紡がれずに咽喉の奥で突っ掛かっただけだった。
震える指に掛かる力がほんの少し弱まる。
その指が、首をそうっと撫でて、くすぐった。
ぞく、何かが首を駆け上がっていく。


「ごめんね、私帰る…」


手が離れる。
冷たい感覚が離れて残るのは熱い首に残る、指の感覚。
背を目で追い、その背が消えると自分の指は無意識の内に指の感覚が残る部分へと移動する。
そっと触れれば、さっきまでの感覚が酷く鮮明に思い出された。
気が付けば口許に笑みが浮かんでいることに気付く。
慌ててそれを取り消した。
そして何故か自分の胸、最奥で考えていた言葉を頭を被って忘れようとした。

どうしてそんなこと、思えようか。



「もっと触れててほしかった――?」





突発的破衝動、そして狂気の






2005/08/12
狂気に蝕まれたツナさん。いやーあ似非っぽい…
前友人から借りたりぼーん1巻2巻を読んで考えました。
原作との懸け離れ感が否めません。これ、こんな漫画でしたっけ?
多少の捏造は目を瞑って下さい。え?京子ちゃん?ええと、あの、その…ごめんなさい。
これ本当は、その友人に山獄書いて押し付けようとしてました。
出来てみれば山獄ですらない!うわあ、…ごめんなさい。

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