私の目の前でのほほんと何かもちもちしたものを食む小さな生物。
私はこんな生物をペットショップから買った記憶は無いぞ。
ペットショップに行った記憶すら…無い。
なんだこれ。
そもそもこんな動物この地球上に存在しているのか?
じゃあ何?もしかしてこれ、発表したらかなりの大発見ですか?
うわあ、そんなことになっちゃったら私、どうしよう!









未知との遭遇










「ねえ、そこの未確認生物」
「もっちもっちもっちもっち」
「…普通に返事してくれない?」
「ちもっちもっちもっち」


返事はもっちもっちかよ!飲食時の効果音が返答?
なんだろうこの生物。
とっても興味をそそられる。

この丸を八つ繋げたような食物を口に含むと、頬(?)が膨らみ元に戻る。
顔の形状は耳が無い完全な球体。
尻尾の先に食べているものに似たような形状の飾りが。

可愛らしいなあ、これ。


「もっちもっちもっち」
「あんた物凄く美味しそうに食べるのねー」
「もっちもっち」


小さく頷いてもふもふとドーナツと思しきものを食み続ける味覚人生物A。
頷いたって事は私の言葉を理解しているととってもいいのかな?
それとも、ただ単に食べてるときに飲み込んだから首が縦に動いただけ?

いや、聞こえていたにするならば、耳に存在はどこにある?
頭部にはついていないようだけど、一体全体どこにあるのよ、この生物の耳は。
…あ、耳朶が無くて穴だけとかかな。

うーん。謎が謎を呼ぶぜ、この動物。


「もっちもっちもっち……」


「ぷくー」
丁度、食物が食べ終ったとき、そんな効果音が似合いそうな感じで未確認生物の尻尾が膨らんだ。
…ちょうど、さっきこいつが食べていたのと同じような形状、大きさぐらいまで。
びっくりしてそのまま見ていたら尻尾からそれは切り離されて、顔に装着された。

……まるでライオンだな。
明らかにライオンとは懸け離れてるけど。
(だってライオンのふさふさはれっきとした毛だ)


「…ねえ、あんた名前は?」
「がおー」
「ああ、雄叫びもできるのね、そうなのね」


ご馳走様、と言わんばかりの雄叫びを上げる未確認生物。
…迫力無ぇー。
鳴き声はバッチリきっかりライオンちゃんなのに、この愛くるしい身形姿形。
…ぜんっぜん、ギャップだらけ。違いすぎ。
もっと愛くるしく鳴きなよ。


「名前…、そうか、日本語話せないか」


未確認生物は人間では無いので日本語なんて話せない、(勿論英語等その他諸々も)と今更気付く。
そして、ふっと先ほどこの未確認生物が食んでいた食物を思い出す。

……もちもちとした感触。
球体を8つほど連ねたような輪の形。

そう、それはまごうことなき。


「ぽ、ポンデライオン…!?」


そうだ、考えてみればよくCMとかで見るポンデライオンそのままだ。
ありえない。何事だ。
あれは食玩系のオモチャでしょ!?


「あんた、もしかしてポンデライオンだったりする…?」
「がおー!」


それで正解です、と言わんばかりのライオンの鳴き声。
私の頭はなんだか現実を信じ切れなくてぐるぐると回るだけ…。
ぼんやり考えていると、ポンデライオンが物凄い跳躍力で私の方に飛び乗り、また一鳴き。



「がおー!」
「……これはどういうことなのかわかんない…!」



こんな、不思議な生物との物語。





2005/03/18
やっちまった、感のあるドリーム?小説。
名前変換無いからドリームっぽくないけど。
……だめですか、ポンデライオン。前々から飼ってみたいとか思ってたんですけど。
だめ…でしょうか…?
お仲間さん、いらっしゃったらこれで楽しんで下さい…。

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