たった一瞬絡んだだけの視線だったはずなのに









ただ、然かもしれなかったあの瞬間









「…私と炎呪が出逢ったのって、偶然だと思う?それとも必然だったと思う?」


特訓を続ける炎呪に取り留めのないことを問い掛けてみる。
昔の炎呪だったら、答えてくれることすらしてくれなかったような、戯言。
きっと、一蹴されてたんだろうな。昔のままの炎呪だったら。
もしかしたら今でも軽く一言で済まされちゃうのかもしれないけど。


「お前はそんなことを考えてたのか?」
「『そんなこと』って酷いんじゃない?結構真面目に考えてたのに」


ひどーい、と軽く揶揄するように言えば炎呪の顔が不機嫌そうに歪められる。
…まあさすがになじるほど強く言ってないから、炎呪の不機嫌さも然程酷いものじゃないけど。


「で、炎呪はどう?必然か偶然。運命だったのかそうじゃないのか。どっちだと思う?」
「どっちでも良いな。むしろどうでも良いといったところか」
「自分のことなのに物凄く投槍ね」


思わず、口元に笑みが浮かぶ。
確かに、炎呪は運命すら打破して自分で組み替えていきそうだ。
偶然とか必然とかはどうでもいい、些細なことなのかもしれない。


はどうなんだ」
「え?」
「必然と偶然だったか?どっちだと思う?」


炎呪から逆に質問されて、私は一瞬考え込んでしまった。
自分の中に確固たる答えが確立されていない状態で炎呪に質問しちゃったから、私の中でもその答えはあやふや。


「私自身、決めかねるって感じ。よくわかんないの」
「……そうか」
「だから炎呪の考えを参考にしようかなーって思って」
「じゃあ参考にならなかっただろ」
「んー…あんまり。ごめんね」
「別に」


炎呪はいつもと同じ調子で返事をしてくれた。
なんだか、その優しさがあたたかくてほっとした。



「何?」
「会ったのが必然だろうが偶然だろうが、俺はお前の横に必ずいる。それは絶対に不変だ」


そう言って炎呪は私の頭を軽くぽふぽふと撫でた。
その手は、とても温かくて温かくて、私はその優しさを感じながら目を閉じた。


「炎呪だったら、運命すら変えられるよ、…絶対」
「運命なんぞくそくらえだ。あって堪るか、そんなもん」
「……そだね。炎呪らしいや」


…そうだね、運命なんて形の見えないものを思って不安になったりするよりは、
自分で作り出したほうがいいのかもしれないよね。


「ありがと、炎呪」
「…、どうかしたのか?」
「さっきの答え出たから、お礼」
「…よかったな」
「うん、炎呪のおかげだよ。ありがとう」



偶然だったとしても、必然だったとしても、もうどっちでもいいや。
だって、炎呪が一緒だから。



「大好きだよ、炎呪」
「…!」





2005/03/24
タイトルとのコンセプトの相違が…あの…。
うーん、お題って自分に向かないのかな…。
私は小説が出来てから題名決めるタイプだからお題は向かなかったのかもしれない…
…とりあえず微妙19題は絶対完成させますんでご安心を!
炎呪は運命とか信じてないタイプだと思ったので、こんな小説になりました。

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