腕を伸ばせば、あなたの全てに触れられるくらいの









手を伸ばせば、すぐにあなたにく距離で










私とウェンの距離。
それは手を伸ばせば触れられるくらい。
それは言い換えれば伸ばさなければ触れられない距離ということにもなる。
でも、私にはこの距離がとても心地よい。



「何?」
「すごい眠そうだぞ?大丈夫か?」
「…そう?そんなに自覚は無いんだけど」
「寝とけ」


ウェンが胡座をかいていた自身の脚、太腿辺りをぽんぽんと叩いて言った。


「…ウェンの膝枕で寝ろ、ってこと?」
「ああ」
「いいよ、遠慮しとく」
「人の厚意はありがたく受け取っておけって」
「ちょ…っ」


ウェンの腕が伸びて、私の腕を掴む。
そのまま腕を引かれ、バランスを崩して私はウェンの膝の上に頭を乗せることとなった。
上にはウェンの満足そうな、してやったりといったような表情が。


「楽しそうね」
「そうか?」
「うん。まるで悪戯が成功した悪戯っ子みたい」


起き上がろうとするのも面倒だったので、私はそのまま体の力を抜いた。
ウェンの指が私の髪の毛を梳く。
その感覚が酷く心地好くて、私は瞳を閉じた。
ウェンから伝わる温かさは、穏かな眠気を私に齎した。


「ねえ、ウェン」
「何だ?」
「…少し寝てもいい?」
「ああ、いいぜ」
「ありがと。おやすみ、ウェン」
、良い夢をな」


そう言ってウェンは私の頭を優しく撫でた。
その規則的なリズムはとても温かくて、優しいものだった。
頭を撫でていた手が、また髪を梳く。
何度も、何度も。
まるで、慈しむように。


……好きだ」


ウェンの声が真っ直ぐと聞こえた。


『私も、ウェンのことが好きだよ』


心の中でウェンにそう言うと、私はそのまま意識を眠りの世界へと連れ去った。
…起きたら直接言うから、ちょっと起きるまで待ってて。

大好きだよ、ウェン。





2005/03/31
…タイトルというかお題との相違が…あのその…
いやもう大変申し訳ない。
初めてウェンを相手にした普通な恋愛話書けたと思ったのに…
なんでしょうね、これもう…
ウェンファンさんに対して陳謝するしかないですね…
つ、次はリベンジ!

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