ただひたすらに流れるのを待つだけに










きみと有するものは、空気とことばと、それともう一つ










「…アキュラス」


の声は掠れていた。
その響きは酷く甘美で甘く感じられた。
俺は鈍る体をゆっくりと起こしながら置時計を掴んで時間を確認した。


「…何時?」
「まだ5時半だ」
「…早すぎたのね」


起こしかけていた体をまたベッドに凭れた。
少し乱れたシーツに、の髪がさら、と流れる。
白い肌、赤い痕、白いシーツ、黒い髪。
白地に所々に散らばった赤と黒は、酷く印象的に目に映った。

無意識の内に、指がの髪の毛を梳いた。
髪を一房とって、はらり放す。さらさらと髪が重力に従がって落ちていく。


「どうしたの?」
「何と無くだ」
「そう。…楽しい?」
「それなりにな…」
「そっか」


俺はまたの髪を一房とると、それに、優しくそうっと口付けた。
がくすぐったそうに笑った。
その反応が面白く新鮮で、俺はもう一度髪を一房とって口付けた。
が苦笑するのが見えた。


「…ほら、アキュラスも二度寝しよ?」
は寝るのか?」
「だってまだ早すぎるもの。昨日だって遅かったんだし、もう少し寝ても罰当たらないわよ」


はそう言うと俺の腕を軽く引いた。
バランスを崩したり、痛いと感じるほどの力が無いのはが女だからか。
俺はに蒲団を掛けてやり、横になった。


「…そうだな、少し寝る…」
「うん、おやすみ」
「ああ…」


寝息や吐息すら聞こえる距離で、二人で共有するこの時間。
それは何よりしあわせであたたかい。





2005/04/04
はっきり言います。オチが考え付かなくて逃げました。
ごめんなさい。……しかも短い。すみませんでした。
全然キャラ掴んでないのに書こうとしたのがそもそもの間違いでした。
アキュラスさんとっても難しいです。台詞が幾つかはとばさんっぽいです。
漫画しかアキュラスを知る手段がないのでキャラがつかめません。
…こんなのでも誰かが楽しんでくれたらこれ幸い。

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