「……」
「、それはノートではないぞ」
「え、うそ!?あー危なかった…ありがと若桜ちゃん」
「ああ」
半分ほど、眠りの世界に飛び掛っていた。
若桜ちゃんに呼び寄せてもらえなかったら、私このままさっき買った暴君ハバ○ロの袋に極細のペンで板書するところだったわ。
袋が破れて、恐怖の事態なんてことにならなくて良かった…!
ブラックエモーション
「、昨日の晩は何時に寝た?」
「2時ぐらい」
「起きたのは?」
「5時半」
「そんなんじゃ具合が悪くなって当然だ」
呆れたような若桜ちゃんの物言いに反論することすら億劫なくらい眠い。
そして、頭がぐるぐるして具合悪い。吐き気すら、するような。
確かに昨日(正しく言うなら今日)は少し寝なさ過ぎたかもしれない……。
ああ、もうダメだ。耐え切れそうに無い。
「私、次サボるね…眠い……」
「ああ、ちゃんと寝て来い」
「うん」
* *
「ああー…何で居るの…よ……」
「一応在校生だから居ても可笑しくないでしょ?」
「…そうね…」
保健室の扉を開いて、中に居た人物を見て思わず深々と溜息をついてしまった。
この疲労の原因だったりするのとが我が物顔で何故か白衣を着て立っていたのだ。
でも、今はのとがいるからとか気にせずに、すぐに眠ってしまいたい気分だった。
「うん、のと、おやすみ…」
「珍しいね、僕がいるのにこの部屋から出ていこうとしないんだ」
「んー」
「だから私の快眠・安眠の邪魔しないでね」と言って蒲団に潜り込む。
真っ白でふわふわの蒲団。保健室特有の消毒液の匂いがするような気がした。
ふわふわと眠りの世界に旅立とうと――。
「ねえ、。僕が邪魔しないとでも、思った?」
にやりと口角を上げて笑むのとの顔が、眠くて翳む視界でも鮮やかに見えた。
一瞬で脳内全体がクリアになるような、霧が晴れるような、そんな感覚がした。
「…ああ、うん。ちゃんと脳が起きてたら寝ようとなんかしなかったと思うわ」
「遅いよ。後悔先立たずって言うでしょ?」
「これからはちゃんと睡眠をとることにするわ」
思考回路がクリアになってさえいれば、絶対にこんなミスを犯さなかっただろう。
これはちょっと、うん、自分で己自身の墓穴掘ったわね。しかもすごく大きいの。
やっちゃったわ。これはヤバイ…。
「さて、今まで散々逃げられたけど、今日は無理だよね。――」
ぎし、と音を立てて私が体を預けているベッドが軋む。
顔の横にのとの両手が置かれ、のとに体の自由を奪われる。
「…やめて」
「嫌。だってこれ最高最大のチャンスみたいだし?」
「今日は寝かせて。本当に眠くて仕方が無いの」
「ふうん…」
顎に手を当てて、のとは値踏みするような表情を浮かべ私の顔を見た。
そして、私の上から退いてくれた。
多分、この時の顔は見てられないものだと思う。
虚をつかれた顔とでもいうのかな?ホント間抜け面だったと思う。
「え…いいの?」
「貸し1ね。これで貸し2」
「…なんか今後累計貯まって逃げられなくなりそうだけど、今日はちょっと甘えさせてもらうわ…」
にやりと妖しく笑むのとに、今日だけは強く感謝して、私は蒲団の中で丸まって眠った。
2005/03/17
いや、今日はものすごく眠たかったんです。
だんだん累計ポイントで借りを作っちゃってるヒロインさん。
多分これからヤバイですよね…。
滅茶苦茶。なんか上手くかけなかったなあ。
ちょっと悔しい。今後リベンジ。
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